大腸がんの初期症状とは?見逃したくないサインと早期発見の重要性
はじめに
「最近、便秘と下痢を繰り返している」「便に血が混じっている気がする」といったおなかの不調や便の異常に気づき、「もしかして大腸がんの初期症状ではないか?」と不安に思われている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
大腸がんは、早期の段階では自覚症状がほとんど現れないという特徴があります。しかし、身体が発する小さなサインを見逃さず、適切なタイミングで検査を受けることが、早期発見・早期治療の鍵となります。
本記事では、消化器内科・内視鏡専門医の視点から、大腸がんが疑われる初期症状のサインや、早期発見のための検査の重要性について分かりやすく解説します。
大腸がんとは?
大腸がんは、大腸(盲腸、結腸、直腸)の粘膜から発生する悪性腫瘍です。現在、日本において大腸がんに罹患する人は年々増加傾向にあり、がんによる死亡原因の上位を占めています。
大腸がんの多くは、大腸ポリープ(腺腫という良性の腫瘍)が大きくなる過程でがん化して発生します。一部、正常な粘膜から直接がんが発生するケースもありますが、いずれにしても「初期段階では自覚症状が乏しい」という非常に厄介な共通点があります。
これって大腸がんの初期症状?見逃したくないサイン
初期症状が出にくい大腸がんですが、進行するにつれて以下のような症状が現れることがあります。これらのサインに気づいた場合は、放置せずに医療機関を受診することが大切です。

便通の異常(便秘と下痢を繰り返す、便が細くなる)
大腸内に腫瘍ができると、便の通り道が狭くなります。そのため、スムーズに排便ができず便秘になったり、狭い隙間を通るために便が細くなったりすることがあります。また、通り道が塞がれることで、水分の多い便だけがすり抜けて出てくるため、便秘と下痢を繰り返すような症状が現れることもあります。
血便・下血
便に血が混じったり、トイレットペーパーに血が赤く付着したりする症状です。「痔だろう」と自己判断して放置してしまう方が非常に多いですが、大腸がんのサインである可能性も否定できません。特に、赤黒い血が混じっている場合や、粘液に血が混じっている場合は注意が必要です。
腹部の違和感(おなかの張り、腹痛)
腫瘍によって腸管が狭くなると、腸内に便やガスが溜まりやすくなります。その結果、おなかが張ったような膨満感や、持続する腹痛、すっきりしない残便感を感じることがあります。
その他の全身症状(貧血、原因不明の体重減少)
がんの表面から少しずつ出血が続くことで、気づかないうちに貧血が進行することがあります。動悸や息切れ、めまい、疲れやすさなどを感じて受診し、検査の結果、大腸がんが見つかるケースも少なくありません。また、ダイエットをしていないのに体重が急激に減少する場合も、身体の異常を知らせるサインです。
なぜ大腸がんは初期症状が出にくいのか?

大腸がんの初期症状が乏しいことには、大腸の構造が関係しています。
腸管は太く、便が通過しやすいため
大腸は比較的太い管状の臓器です。初期のがんは粘膜の表面にとどまる非常に小さなものであるため、便の通過を妨げることがありません。また、大腸の粘膜には知覚神経がないため、がんができても痛みを感じることはありません。
症状が出た時には進行しているケースが多い
「便が細くなる」「便秘になる」といった症状は、がんがある程度大きくなり、腸管の内腔を物理的に狭くしている(あるいは塞ぎかけている)状態を示唆しています。つまり、明らかな自覚症状が現れた時点で、すでにがんが進行しているケースが多いのが実情です。だからこそ、症状が出る前の「検診(便潜血検査)」や「大腸カメラ検査」が非常に重要になります。
気になる症状がある場合の対処法
自己判断せず消化器内科を受診する
血便やおなかの不調があると不安になるものですが、インターネットの情報だけで自己診断するのは危険です。痔や過敏性腸症候群など、他の良性疾患でも似たような症状が起こります。まずは専門の医師による正確な診断を受けることが、不安を解消する最短のルートです。
便潜血検査と大腸カメラ(内視鏡)検査
健康診断などで行われる「便潜血検査」は、便に混ざった目に見えない微量な血液を感知する検査です。この検査で「陽性(異常あり)」となった場合は、必ず精密検査として大腸カメラ検査を受ける必要があります。ただし、便潜血検査が陰性であっても、早期の大腸がんやポリープを見逃している可能性はあるため、症状がある場合は直接大腸カメラ検査を受けることが推奨されます。
大腸カメラ(内視鏡)検査で早期発見を目指す

大腸ポリープの段階で切除し、がんを予防する
大腸カメラ検査の最大のメリットは、大腸の粘膜を直接カメラで観察できるため、微小な病変も発見できることです。さらに、がん化するリスクのある「大腸ポリープ」を発見した場合、その場で切除することが可能です。これにより、大腸がんの発生そのものを予防することができます。
40歳を過ぎたら一度は検査を
大腸がんにかかるリスクは、40歳を過ぎると増加し始めます。特にご家族に大腸がんやポリープの既往歴がある方はリスクが高いため、自覚症状がなくても40歳を迎えたら一度大腸カメラ検査を受けることをおすすめします。
北松戸おなかと内視鏡・内科クリニックの大腸カメラの特徴
千葉県松戸市(北松戸駅東口徒歩1分)にある当院では、患者様が大腸カメラ検査に対する不安や恐怖心を少しでも和らげられるよう、さまざまな工夫を行っています。
- 苦痛を抑えた内視鏡検査 鎮静剤を使用し、ウトウトと眠っているようなリラックスした状態で検査を受けていただけます。
- 専門医による精度の高い診断 経験豊富な内視鏡専門医が、高性能な内視鏡システムを用いて微細な病変も見逃さない丁寧な検査を行います。
- 日帰りポリープ切除 検査中に発見されたポリープは、大きさや状態に応じてその場で日帰り切除が可能です。何度も通院する負担を軽減します。
- おなかの張りを軽減 検査中は空気に比べて体内への吸収が速い「炭酸ガス」を使用し、検査後のおなかの張りや不快感を最小限に抑えています。
おなかの症状で少しでも気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。
まとめ
大腸がんは、初期症状に乏しいものの、早期に発見できれば治癒の可能性が非常に高いがんです。便の異常や腹部の違和感など、ささいなサインを見逃さず、勇気を出して医療機関を受診してください。 「何もなければ安心」「ポリープがあれば切除して予防」という前向きな気持ちで、ご自身の健康を守る第一歩を踏み出しましょう。
監修者情報
北松戸おなかと内視鏡・内科クリニック 院長 槇田 智生(まきた ともお)
【資格等】 日本内科学会 認定内科医 日本消化器病学会 消化器病専門医 日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医
【参考文献・参考サイト】
- 国立がん研究センター がん情報サービス「大腸がん(結腸がん・直腸がん)」
- 日本消化器病学会「大腸がんガイドQ&A」
- 日本消化器内視鏡学会
